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報告 多文化カフェ「難民とともに生きる ロヒンギャの女性のお話から考える」保谷駅前公民館

最終更新日 2021年3月10日

令和2年11月28日(土曜日)保谷駅前公民館にて行った講演会の報告です。

市内に居住するロヒンギャ民族のカディザ・ベゴムさんから、難民として生きる想い、また日本の社会に期待することなどについてお話いただきました。お話の抜粋をお読みください。


保谷駅前公民館5階集会室にて。たくさんの方がカディザさんのお話に聞き入りました

ロヒンギャ民族として生まれて

「お国はどちらですか?」。異国に住む外国人がよく受ける質問です。みなさんにとっては簡単な質問かもしれませんが、わたしにとってはこれ以上の難しい質問はありません。なぜなら、わたしを国民として認めてくれる国がないからです。わたしはミャンマーのロヒンギャという少数民族の出身で、生まれ育ったのはバングラデシュという国です。およそ千年以上の歴史を持ったミャンマーの少数民族ロヒンギャは、宗教、文化そして言葉の違いで、長年ミャンマーの軍事政権によって差別や迫害を受けてきました。今現在、世界で最も迫害を受けている少数民族とされています。衣食住や教育の制限、宗教や移動の自由を奪われ、命からがら隣の国へ難民として避難する様子がよく伝えられています。日本にも、90年代から保護を求めて来日し、現在は200人くらいのロヒンギャ人が日本に住んでいます。

難民というアイデンティティ

2006年12月31日、夫の呼び寄せで日本に来ることができました。日本には、大学に進学して、難民という状況から脱出するという夢を求めて来ました。しかし、日本語の難しさと物価の高さに驚き、夢の実現には大きな困難を伴うことにすぐに気づきました。
それでも、ぜったい大学へ行くという夢を持ち続けました。なぜかというと、わたしには難民というアイデンティティがあるからです。難民というと、遠い国の戦争から逃れてきた貧しい人のことしか思わないかもしれませんが、難民たちはみなさんと同じように、笑い、食べ、喜び、悲しみ、夢を持っている人間です。教育があれば、難民は自分の夢を叶えることができますし、受け入れた国の負担になるのではなく、むしろその国の発展にいろいろな形で貢献できる存在になるのです。
そこで必須なのが教育です。教育を受けて、初めて自分の状況を周りに発信することができますし、できることが増えると、エンパワーメントにつながります。わたしはまず日本政府が無料で提供している6か月の日本語と生活の基礎を学ぶプログラムを受けました。さらに日本語学校で毎日夜3時くらいまで必死に勉強し、日本語能力試験1級に合格しました。そして、UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)が、1年に1人のために提供している奨学金を利用して、2009年4月、青山学院大学総合文化政策学部に入学しました。大学在学中には、二人の子どもにも恵まれました。

日本に暮らす難民が直面する課題

日本には現在200人くらいのロヒンギャ民族が暮らしています。そのうち難民認定されているのは、わずか20人だけです。そのほかには、特別在留資格を持っている人が100人くらい、仮放免が10人くらい、収容中の方が数人。条約難民認定された人と特別在留資格を持っている人には、仕事の許可があって、医療や教育を受ける機会があります。ただし、仮放免の方や収容されている方は、それがありません。仮放免の方が、今すごく困っています。ほとんどの方が館林に住んでいますが、仕事をすることができません。生きるためには食べなければいけませんが、食べるためにはお金が必要です。お金のために働かなければなりませんがそれができない、全部つながっているんです。それでみんな周りの民族の人々に助けられて生活しています。病気になると大金を払って治療するしかありません。そんな状況で館林に暮らしています。


「gom asos ne(ゴマソンネ)?」はロヒンギャの言葉で「元気ですか?」

大学院進学を目指して東京へ

ロヒンギャ民族のためになにかやりたいという目標を持って大学院に進学しようと思い、東京に引っ越してきました。ロヒンギャ問題は世界の問題と結びついています。この問題をどう整理すればいいのか。どのような行動をとらなければならないのか。大学院で専門的な勉強をしようと思っています。そして難民高等教育プログラムを受験して、なんと合格しました!この4月から大学院に行きます。目標に向かって、また一歩歩み出します。そこでは、ロヒンギャ問題に貢献できるように、南アジア、東南アジアの歴史、難民問題、世界中の難民問題の課題を分析したり、解決方法を分析したり、そしてもちろん日本にいるロヒンギャの人々の生活を向上させたいと思います。最終的には、バングラデシュで難民キャンプに住んでいる子どもたちの将来を明るくするために貢献できるような存在になりたい、それが今の目標です。

外見が違っても、子どもたちが受け入れられる社会へ

わたしには小学4年生と2年生の2人の子どもがいます。わたしの子どもたちは、日本で生まれ育っているにも関わらず、100パーセント日本人になれない、100パーセントロヒンギャ人になれない、すごく大変な状況だと思います。外見が違っても、日本人の子どもができることを、わたしの子どもも普通にできるような学校や社会に、それがわたしが望んでいることの一つです。今わたしには自分の民族や世界の難民問題に貢献できるようになるという夢と、自分の子どもたちを、イメージの悪い難民ではなくて、なんにでも挑戦できるたくましい人間に育てるという願望があります。4人の家族で、その夢に向かって一歩一歩進みます。ある日、日本で難民のイメージがよくなるまで、わたしたちの挑戦は続きます。


カディザ・ベゴムさん 西東京市内で子育てを頑張っています。令和2年11月28日撮影

カディザさんのお話の全体の内容は、以下のPDFをお読みください。

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