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市長施政方針(令和8年2月26日)

ページ番号 662-581-078

最終更新日 2026年3月2日

 令和8年第1回西東京市議会定例会の開会に当たり、令和8年度の市政運営の基本方針について所信を申し述べ、市民の皆様並びに市議会の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。

はじめに

 私が市民の皆様の負託を受け、2期目の市政運営の重責を担わせていただいてから、1年が経過いたしました。
 昨年を振り返りますと、戦後80年という大きな節目の年でありました。本市では、戦争の悲惨さや平和の大切さを次の世代に継承していくため、年間を通した様々な取組を行ってまいりましたが、なかでも、次世代を担う若者を現地に派遣する「戦後80周年平和大使派遣事業」を実施したことは、大変意義深いものでございました。
 私自身も平和大使の皆さんと行動を共にし、広島の地を歩き、広島平和記念式典に参列いたしました。現地での体験や若者たちとの交流を通して、平和大使である若者たちが戦争や平和を「自分事」として捉え、大きく成長していく姿を目の当たりにし、平和への願いを未来へとつなぐ、その「確かな一歩」を肌で感じたところでございます。
 こうした若者たちの頼もしい姿に触れ、私自身も、市政を一歩一歩、着実に前に進めてまいりたいと、決意を新たにしたところでございます。

これからのまちづくりに向けて

 我が国は今、かつてない社会変革の中にあります。長年懸念されてきた、団塊の世代が全て75歳以上となる「2025年問題」は、もはや未来の予測ではなく、私たちの目の前にある現実となりました。
 また、社会の枠組みそのものも大きく変容しています。生成AIをはじめとするデジタル技術の進化は、私たちの働き方やコミュニケーションのあり方を変えようとしています。これは単なる技術の進歩に留まらず、労働人口が減少する社会において、市民サービスや生活の質を維持するための不可欠なライフラインとなりつつあります。さらに、地球規模で進行する気候変動は、「猛暑」や「線状降水帯」といった言葉を日常のものとし、これまでの常識では測れない災害やリスクを突きつけています。
 このように、人口構造の変化に加え、テクノロジーの急進や環境の激変が重なり合う今こそ、将来を見据え、循環型社会を築くためには、これまでの取組を止めることなく、私たち一人ひとりが今やるべきことをともに考え行動し、更なる改革を進めていく必要があります。
 そのため、世界共通の指針であるSDGsの理念を念頭に置きつつ、令和7年度に「SDGs未来都市」に選定されたことを新たな推進力とし、まちづくりを進めてまいります。
 さらに、令和8年度はSDGs未来都市計画を一部改定し、SDGsの理念にスマートウエルネスシティの視点を加え、健幸(ウェルネス)に住み続けられるまちづくりを進めてまいります。誰もが健やかに暮らせる「SDGs未来都市・西東京」を目指すとともに、第3次基本構想・基本計画に掲げる「ともにみらいにつなぐ やさしさといこいの西東京」を実現するため、市民一人ひとりが幸せを実感し、多面的で持続的な幸せの状態である「ウェルビーイング」の向上に着実に取り組んでまいります。

政策の4つの柱

 令和8年度におきましても、これまで取り組んできた「子どもが『ど真ん中』のまちづくり」「次世代につなぐ環境施策」「恒久平和への願いを市民とともに取り組む平和施策」「若者と一緒にまちづくりを推進する若者施策」の4つの柱を基軸とし、これらをさらに発展させ、市民の皆様がこのまちに住み続けたいと思っていただけるよう、皆様のお声に耳を傾けながら、次世代へ歩む責任ある選択に、着実に取り組んでまいる所存でございます。

子どもが「ど真ん中」のまちづくり

 はじめに、「子どもが『ど真ん中』のまちづくり」について申し上げます。
 全ての子どもがその命を大切にされ、健やかに育つことができるよう、子どもの育ちを支えてまいります。また、安全・安心な学校生活を送ることができるよう、学校教育環境の向上を図ってまいります。
 そして、子どもの命と健康を守る切れ目のない支援体制を構築するとともに、子どもたちが地域において安心して暮らしていけるよう、環境を整えてまいります。

次世代につなぐ環境施策

 次に、「次世代につなぐ環境施策」について申し上げます。
 2050年の脱炭素社会の実現に向けて、市と市民、市内事業者の皆様と、引き続き、環境施策に取り組んでまいります。
 2050年を見据え、幼少期からの環境学習に力を入れるとともに、民生部門における二酸化炭素排出の抑制にも努めてまいります。また、市民の皆様や市内事業者の皆様の環境に対する、様々な取組を支援してまいります。

恒久平和への願いを市民とともに取り組む平和施策

 次に、「恒久平和への願いを市民とともに取り組む平和施策」について申し上げます。
 「『One voice』 たとえ一つの声でも、学んだ事実に思いを込めて伝えれば、変化をもたらすことができるはずです。」
 昨年8月6日の広島平和記念式典で、広島市立小学校6年生が平和への誓いで世界に向けて力強く発信した言葉です。
 市民の皆様と一緒に恒久平和の取組を進めていくとともに、子ども・若者たちが主体的に平和の尊さを学び、自分事として捉え、将来につなげていく平和の担い手を育成することで、次世代につなぐ平和施策を確立してまいります。

若者と一緒にまちづくりを推進する若者施策

 最後に、「若者と一緒にまちづくりを推進する若者施策」について申し上げます。
 若者が希望を持って活躍できる基盤を整え、若者の活力を引き出す取組を進めてまいります。
 若者が安心してキャリアを形成できる環境を整え、このまちに希望を持って住み続けていただくとともに、西東京市の未来を築くパートナーとして、まちづくりに参画し行動することで、まちを動かしていく実感を持てるよう、若者施策を進めてまいります。

本市の財政状況と令和8年度予算の概要

 主要な施策の内容の前に、本市の財政状況と令和8年度予算の概要についてご説明いたします。
 本市の財政状況は、令和6年度決算において、経常収支比率は前年度比2.2ポイント上昇の95.5パーセントとなり、財政調整基金残高は、行財政改革大綱では基金現在高比率10パーセントを目標としておりますが、前年度から5億3,420万円減の37億335万円、基金現在高比率は8.7パーセントとなりました。
 今後の見通しとして、歳入面では、市税収入や税連動交付金は堅調に推移すると見込んでおりますが、歳出面では、人件費や、社会保障関係経費の増加、公共施設やインフラの更新に加え、物価高騰に伴う物件費等への影響により、財政負担が拡大する傾向にあり、本市の財政は厳しい状況にあるものと考えております。
 令和8年度予算編成に当たりましては、これまで取り組んできた政策の4つの柱をさらに発展させつつ、次世代に形あるものを残していくために、SDGsの理念やスマートウエルネスシティの視点等を踏まえ、施設整備や道路整備のほか、施設等の老朽化対策に積極的に予算を配分し、次世代につなぐまちづくりに向けた取組を進めてまいります。
 そのためには、持続可能で自立的な自治体経営の確立に向けて、これまで進めてまいりました公債費管理の徹底や、適切な予算の執行管理と行財政改革に努めながら、財政基盤の強化を図らなければならないと考えております。
 これらを踏まえ予算編成を行った結果、一般会計の当初予算額は、前年度比3.3パーセント増の915億7,800万円となりました。
 歳入では、地方交付税が0.1パーセント減の33億8,800万円となりましたが、市税が3.7パーセント増の367億1,698万円と堅調に推移するものと見込んだ結果、一般財源総額は、前年度比2.5パーセント増の503億6,077万円となりました。
 歳出では、土木費が7.7パーセント減の57億9,491万円、公債費が3.8パーセント減の44億754万円となったものの、主に、総務費が8.7パーセント増の90億7,799万円、教育費が5.1パーセント増の110億2,930万円となり、財政需要が拡大しております。
 市債につきましては、29.7パーセント増の35億5,690万円となりましたが、施設整備や道路整備のほか、施設等の老朽化対策に積極的に取り組みながらも、公債費管理を徹底したことにより、令和8年度末の市債現在高は、前年度から約7億円減の389億5,839万円と見込んでおります。
 また、財政調整基金繰入金は、義務的経費の増や物価高騰対策の影響があるものの、予算編成方針において、「基金の繰入に頼らない財政運営を目指す」といった考え方を示し、歳入の確保や歳出の見直し等を行う中で、前年度比8億5,476万円減の9億4,000万円となり、令和8年度末の見込現在高は、25億8,188万円と見込んでおります。
 今後の財政運営につきましては、「健全な財政運営の上に安定した市政運営がある」との考えに基づき、引き続き、公債費管理の徹底と適切な予算の執行管理、行財政改革に努めながら財政基盤の強化や歳入の確保に努め、財政調整基金残高の確保とともに、次世代へ歩む責任ある選択に着実に取り組んでまいります。
 なお、物価高騰等への対応といたしましては、国の経済対策の趣旨も踏まえ、市民の皆様への生活支援や市内経済の活性化、循環を目的とした生活応援カード等の経済対策の実施に向けた準備を進めております。

令和8年度の主要な取組

 令和8年度の主要な取組について、新規事業やレベルアップ事業を中心に、私が市政運営に臨むに当たって掲げた6つの重点的な取組に沿ってご説明いたします。

子どもにやさしいまち

 1点目といたしまして、「子どもにやさしいまち」についてでございます。
 はじめに、幼児教育・保育の充実につきましては、核家族化や共働き世帯の増加など、子育て家庭を取り巻く環境が変化する中で、孤立を防ぎ、全ての子育て家庭を社会全体で支えていく必要があります。
 令和8年度は、PMH(Public Medical Hub)との連携によるシステム改修を行い、マイナ保険証を活用した受診環境の整備により、医療機関受診時の利便性の向上に努めてまいります。さらに、保護者の就労要件にかかわらず、保育所等を利用できる「こども誰でも通園制度」の実施により、家庭にいるだけでは得られない様々な経験を通じて成長していく機会を未就園児に提供するとともに、保護者が専門的な知識や技術を持つ保育士等と関わることで子育てに対する孤立感・不安感の解消につなげてまいります。また、多様化する保育ニーズに柔軟に対応するため、ベビーシッター利用支援事業を新たに開始し、仕事と子育ての両立を支援するほか、認定こども園へ移行する市内幼稚園を支援することで、引き続き待機児童対策を進めてまいります。
 育児の負担が特に大きい多胎児世帯への支援といたしましては、多胎児家庭支援事業を実施し、健康診査や予防接種等で外出する際のタクシー利用料金を助成することで、外出時の困難さや負担の解消に努めてまいります。
 次に、児童・生徒の居場所づくりについてでございます。子どもたちの健やかな育ちを支える上で、子どもたちが放課後や休日を安全に、かつ主体的に過ごせる居場所の充実は必要です。
 児童館につきましては、中高生年代が気軽に立ち寄れる居場所として整備していくことが求められております。このため、田無柳沢児童センターについて、中高生年代を中心に立ち上げた準備会議での意見を設計に反映させ、中高生年代が利用しやすい「中高生特化型児童館」としての改修工事に着手してまいります。
 学童クラブにつきましては、利用希望者の増加による過密化に対応するため、学校施設を活用するタイムシェアを、新たに田無小学校、東伏見小学校、本町小学校、住吉小学校の4校で実施してまいります。
 次に、学校教育についてでございます。「学校を核としたまちづくり」につきましては、「田無第三中学校周辺エリア構想」を策定し、中学校施設を地域の核として位置付けたことを踏まえ、令和8年度につきましては都市計画との整合を図りつつ、田無第三中学校の建替えに向けた基本計画を策定し、地域とともにある学校づくりを推進してまいります。
 また、保谷第一小学校の建替えに向けた基本構想・基本計画を策定するほか、小中学校の普通教室における空調設備の更新を計画的に進めるとともに、近年の猛暑日の連続等による暑さ対策として、教室等への空調設備を増設するなど、児童・生徒が快適に学習に取り組める環境を整えてまいります。また、田無第二中学校のトイレ環境の改善を図り、衛生的で明るいトイレの整備に努めてまいります。
 また、安全で美味しい給食の提供に向けましては、給食調理室への空調設備設置のための設計・工事を行い、調理員の労働環境の改善を図ってまいります。さらに、計画的な真空冷却器の導入や、老朽化した調理機器等の更新を進め、食の安全・安心をより一層高めてまいります。
 教育支援の充実につきましては、障害のある子どもと、障害のない子どもが、人格と個性を尊重し合いながらともに学ぶインクルーシブ教育を推進してまいります。
 このため、本市の特別支援教育の指針となる、(仮称)西東京市特別支援教育推進計画を策定するとともに、難聴等により言語の習得やコミュニケーション能力等の発達に課題のある児童・生徒に対し、一人ひとりの特性に応じた学びを支援するための、音声出力会話補助装置等を導入してまいります。
 さらに、多様化・複雑化する教育課題に対応するため、スクールソーシャルワーカーの増員を図り、家庭や関係機関と連携した相談支援体制の強化を図ってまいります。また、増加傾向にある不登校児童・生徒への対策につきましても大変重要となってきております。多様な教育機会の提供や個に応じた不登校支援について検討してまいります。
 中学校の部活動につきましては、「教員の働き方改革」と「生徒の望ましいスポーツ環境の構築」を両立させるため、部活動の地域展開に向けた試行的な取組を進めてまいります。

健康で元気なまち

 2点目は、「健康で元気なまち」についてでございます。
 はじめに、高齢者施策につきましては、高齢者の皆様が、住み慣れた地域で、いつまでも自分らしく自立した生活を送るため、心身の活力を維持するフレイル予防と、社会参加の促進が重要です。
 加齢による「聞こえ」の低下は、コミュニケーションの減少を招き、社会的孤立や認知症のリスクを高める要因となります。このため、令和8年度からは新たに、聴力機能が低下し、コミュニケーションが取りにくい高齢者の方を対象とした補聴器購入費の補助を開始いたします。「聞こえ」をサポートすることで、人との会話や外出を楽しむ機会を取り戻し、積極的な社会参加とフレイル予防につなげる取組としてまいります。
 健康づくりと生きがいの創出に向けましては、健康eスポーツ事業を拡充し、オンラインを活用した地区別対抗戦の実施や、地域での講座・体験会を積極的に実施するとともに、令和10年度に都内で開催される「ねんりんピック」に向けた機運醸成も庁内連携により推進してまいります。また、下保谷福祉会館等の浴場施設を改修し、健康体操などもできる多目的室として再生させ、地域の皆様が健康づくりを通じて交流できる場を提供してまいります。
 認知症施策の推進につきましては、認知症のある人が安心して暮らし続けることが可能なまちづくりを進めるため、令和8年1月28日に、全国の自治体で初となる、日本ユマニチュード学会との包括連携協定を締結いたしました。「あなたを大切に思っています」というメッセージを相手に伝えるコミュニケーション技法として、また、家族介護者の方や、介護職の皆様の負担軽減、さらには、誰もが暮らしやすいまちづくりにつなげるため、ユマニチュードの普及・実践に向けた取組を進めてまいります。
 医療と介護の連携につきましては、高齢化の進展に伴い、訪問診療等の在宅医療への需要が急速に高まっております。高齢者の皆様が、住み慣れたご自宅で最期まで安心して療養生活を送れるよう、在宅療養支援窓口事業を拡充いたします。具体的には、在宅療養連携支援センター「にしのわ」の体制を強化し、医療・介護関係者の連携や市民相談体制の充実を図るとともに、24時間365日安心できる市内診療体制の構築を支援してまいります。
 次に、障害福祉分野についてでございます。障害のある方が、地域の中で安心して暮らし、社会に参加できる共生社会の実現を目指し、引き続き支援の充実に努めてまいります。
 令和7年度は「手話に関する施策の推進に関する法律」が施行されたことを契機に、全国手話言語市区長会に加入いたしました。様々な自治体の取組など情報収集等を行い、手話言語の理解、普及促進に努めるとともに、令和8年度につきましては、「手話の日」に合わせたブルーライトアップなどの啓発活動を通じ、市民の皆様の理解を深め、障害特性に応じたコミュニケーション手段が尊重される地域づくりを進めてまいります。また、職員の声をリアルタイムに字幕表示するスクリーンを導入することで、聴覚に障害がある方などの窓口対応をサポートいたします。
 次に、ひきこもり支援についてでございます。ひきこもりの状態にある方やそのご家族が抱える悩みは、長期化・高齢化し、複合的な課題となっているケースも少なくありません。
 これまでの取組を踏まえ、令和8年度につきましては、年齢を問わない切れ目のない支援体制をさらに強固なものとするため、ひきこもり支援の推進を図ります。特に、谷戸分庁舎を主な拠点とした居場所づくりにおける、幅広い世代を対象としたプログラムの充実や、地域で活動されている団体を含む関係機関、関係団体同士のネットワーク構築の推進、家族セミナーを通じたご家族への支援、ひきこもり講演会の開催等による正しい理解の普及をより強化してまいります。このことを通じて、当事者やご家族が、ご自分の意思で、今後の生き方や社会との関わり方などを決めることのできる「自律」を目指し、伴走型支援を丁寧に行うとともに、ひきこもりに関する偏見のない地域づくりを進めてまいります。
 最後に、保健事業についてでございます。健康寿命の延伸には、生活習慣病の予防と早期発見が欠かせません。
 一人でも多くの方に特定健康診査をお受けいただくよう、令和8年度は、新たに健康診査対象者のこれまでの受診動向等を分析しながら、個々の特性に応じたきめ細かな勧奨事業を実施いたします。

集える場とつながりのあるまち

 3点目は、「集える場とつながりのあるまち」についてでございます。
 はじめに、文化芸術やスポーツ活動は、市民の皆様の心身の健康と、まちの活力を生み出す源泉です。
 市民手作りの一大イベントである西東京市民まつりにつきましては、物価高騰等の影響を踏まえた支援を強化し、多くの市民が集い、交流を深める場として、その賑わいを絶やすことなく継続できるよう取り組んでまいります。
 スポーツ環境の整備といたしましては、市民の皆様のスポーツ活動の拠点である、旭のかりん糖 西東京市スポーツセンターの大規模改修に向けた実施設計を進めるほか、南町スポーツ・文化交流センター「きらっと」の体育室等の床修繕を計画的に行い、安全で快適な利用環境を確保します。また、障害者スポーツの推進や身近な地域でのスポーツ機会を拡充するため、総合型地域スポーツクラブへの支援を継続し、誰もがスポーツに親しめる環境づくりを進めてまいります。
 文化施設につきましても、タクトホームこもれびGRAFAREホール、J:COMコール田無及び西東京市民文化プラザの将来的な一体的指定管理者制度の導入を見据えた検討を行い、施設の管理運営を効率化することで、市民の皆様がより質の高い文化芸術に触れる機会の提供を目指してまいります。
 次に、歴史・文化財についてでございます。地域の歴史や文化を知ることは、まちへの愛着や誇りを育むことにつながります。
 国史跡である下野谷遺跡につきまして、本年は、「したのや縄文の里 秋まつり」が20回目を迎え、市民との協働による、遺跡を通じたつながりづくりの推進や、公有地化に向けた用地の取得など、貴重な歴史的遺産を次世代へ確実に引き継ぐための取組を進めてまいります。
 また、学識経験者や市民を交えた文化財保存活用懇談会を立ち上げ、本市の歴史や文化を、より身近な地域の学習資源として感じていただけるよう、効果的な活用方法や情報発信等について検討してまいります。
 最後に、地域コミュニティについてでございます。地域活動の拠点であるコミュニティセンター等が、多世代にとってより使いやすく、居心地の良い「サードプレイス」となるよう、東伏見、北町、芝久保の各コミュニティセンターや、住吉会館、田無柳沢児童センターのフリースペース等において、公衆無線LAN(Wi-Fi)の整備を実施いたします。これにより、施設を利用したオンライン会議や学習活動など、デジタル技術を活用した多様な市民活動をサポートしてまいります。併せて、保谷駅前公民館や図書館の空調機器更新を行い、利用者の皆様が快適に過ごせる環境を維持・向上させてまいります。
 また、保谷庁舎敷地の活用に向けましては、子どもたちの健やかな育ちと地域の多様な世代が集い憩える場所の整備に向けて、事業者の公募・選定を行いました。令和8年度は、事業者による施設整備に向けた準備に着手してまいります。

安心・安全で快適なまち

 4点目は、「安心・安全で快適なまち」についてでございます。
 はじめに、都市基盤の整備とまちづくりにつきまして、災害に強く、誰もが快適に移動できる都市空間の形成は、次世代につなぐまちづくりの基盤です。令和7年度は、低層住宅地区における、敷地の細分化の防止や建築物の耐震化、不燃化の促進を目的とした用途地域等の見直しを実施いたしました。引き続き、都市計画マスタープランで示す将来都市像の実現に向け、取組を進めてまいります。
 西武新宿線の連続立体交差事業に関連した取組といたしましては、鉄道付属街路の整備に向けた用地取得を進めるとともに、地域の皆様やまちづくり協議会との対話を重ね、まちの将来像の実現に向けた具体的な取組を示す、東伏見駅周辺地区まちづくり基本計画を策定してまいります。また、連続立体交差事業の進捗を踏まえ、駅周辺の拠点性と回遊性を高めるネットワークの構築を目指すため、西東京都市計画道路3・4・17号線の事業化に向けた予備設計に着手してまいります。
 都市計画道路等の整備につきましては、令和9年度に交通開放を控える田無駅南口交通広場道路築造工事に着手いたします。また、田無駅南口交通広場から市道118号線までの西東京都市計画道路3・4・24号線街路部分の用地取得も併せて進めてまいります。向台町三丁目・新町三丁目地区地区計画関連周辺道路整備につきましては、引き続き、市道118号線の現道の拡幅に向けた用地取得を進めてまいります。西東京都市計画道路3・5・10号線につきましては、ひばりが丘団地交番前交差点付近から谷戸新道までの区間における、事業認可取得に向けた手続きを進めてまいります。西東京都市計画道路3・4・11号線につきましては、事業認可期間の延伸手続きを進めるとともに、引き続き、関係権利者の皆様との協議を行い、用地取得を進めてまいります。
 次に、公共交通についてでございます。市民の皆様の重要な足である「はなバス」につきましては、より便利で快適な利用環境を提供するため、老朽化した車両の更新を行うとともに、バスの現在位置や混雑状況をスマートフォン等で確認できるバスロケーションシステムの導入に向けた準備を進めてまいります。
 また、市南部の公共交通空白地域において、ミニバンタイプのタクシーを活用した新たな移動手段の検討に向けた実証運行を継続し、運行開始後1年が経過する時期を目途に利用実績の検証等も開始することで、地域の実情に合った交通網の構築に取り組んでまいります。
 次に、みどりに親しむまちづくりについてでございます。市民サービスの向上と効率的な管理運営を図るため、指定管理者制度の対象を市内全域の公園に拡大いたします。民間事業者のノウハウや創意工夫を活かした質の高い管理を行うとともに、地域と連携したイベントの開催などを通じて、公園の新たな魅力を創出してまいります。また、住吉森林公園用地の公有地化を通じて、都市の緑(みどり)を確保してまいります。
 次に、都市インフラと住環境の整備についてでございます。近年激甚化する豪雨災害から市民生活を守るため、雨水対策を加速させます。
 雨水溢水対策として、向台町一丁目や北町四丁目地内において、浸水被害の軽減に向けた雨水対策工事に取り組むほか、南町六丁目地内における雨水管布設替工事にあわせて、雨水貯留浸透施設の整備にも着手します。また、下保谷二丁目や向台町二丁目地内の実施設計や、下保谷三丁目地内などの雨水溢水対策に向けた調査を実施いたします。老朽化が進む下水道施設につきましては、計画的な管更生工事を進めるとともに、旧日特管の老朽化対策にも取り組み、都市機能の維持と安全確保に万全を期してまいります。
 また、環境分野につきましては、にしとうきょうの森の整備をはじめ、北杜市との合同による木工体験に加え、実際に森林整備を体感する活動を実施するなど、環境学習の充実に努めるとともに、地球温暖化対策では、省エネルギー型機器の買い換え助成の継続や熱中症対策であるクールシェアスポットの拡充に努めてまいります。
 廃棄物処理につきましては、昨今の物価高騰や賃金上昇を踏まえ、安定的な収集体制を維持するため、廃棄物収集委託料の見直しを図ります。併せて、環境負荷の低減に向け、指定収集袋(ごみ袋)の一部にバイオマス素材を導入した試験運用を行い、CO2排出削減効果や使用感等の検証を進めてまいります。
 最後に、防災・防犯分野についてでございます。いつ起こるかわからない自然災害への備えは、市政の最優先課題の一つです。
 地域防災力の要である消防団につきましては、老朽化した第5分団詰所の建替え工事に着手するとともに、ひばりが丘北四丁目地内に防火貯水槽を設置するなど、消防活動の拠点機能を強化いたします。また、災害発生時に市庁舎が防災拠点としての機能を維持できるよう、田無庁舎等の非常用自家発電機の更新・整備を行い、停電時においても業務継続が可能となるよう取り組んでまいります。情報伝達手段につきましても、防災行政無線設備の更新を計画的に進め、災害情報を迅速かつ確実に市民の皆様へお届けできる環境を整備してまいります。
 住宅の耐震化につきましては、令和7年度の耐震改修促進計画の改定に併せて、能登半島地震の教訓を踏まえ、令和8年度は、木造住宅の耐震診断・改修等に対する助成上限額の引き上げや対象要件の拡充を行います。さらに、多くの市民が居住する分譲マンションの耐震化を促進するため、耐震診断・改修等に対する助成上限額を引き上げるとともに、新たに一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断・改修等への助成制度を創設し、倒壊による被害を未然に防ぐ「地震に強いまちづくり」を強力に推進してまいります。
 防犯対策といたしましては、地域での見守り活動を支援するため、防犯活動団体等に対する防犯カメラの設置補助の継続に加え、運用経費への補助を新たに実施するとともに、令和7年度に緊急対策として実施した、住宅等の防犯対策に対する助成制度につきましても、継続して実施いたします。

市民とともに発展するまち

 5点目は、「市民とともに発展するまち」についてでございます。
 はじめに、SDGs未来都市の実現に向けた取組として、令和8年度は、SDGsをテーマとするプラットフォームを設置し、多様なステークホルダーがつながり、課題認識や目指す将来像を共有する場を創設いたします。
 また、令和7年度に実施した組織改正では、子ども若者部を立ち上げ、全庁的に若者施策を推進する体制を整えました。令和8年度は、若者の経済的支援策として、奨学金返還支援事業を開始するとともに、若者の市政への参加・参画の取組につきましては、若者ミーティングを若者会議として開催し、引き続き若者の声を聞いてまいります。
 平和の分野では、令和8年度も引き続き、平和大使事業を実施するとともに、子ども・若者平和ワークショップを開催し、ワークショップや現地での体験を通じた深い学びを促すとともに、子ども・若者たちが主体的に平和の尊さを学び、自分事として捉え、将来につなげていく平和の担い手を育成してまいります。
 次に、産業振興につきまして、市内産業の活性化は、まちの活力を維持・発展させるための重要な柱です。
 女性の多様な働き方を支援する「ハンサムママプロジェクト」につきましては、開始から10周年という節目を迎えます。令和8年度は、これを記念したイベントの開催や情報発信を強化し、創業支援の成功モデルとして市内外へ広くアピールすることで、西東京市ブランドのさらなる向上を図ってまいります。
 地域経済の担い手である中小企業や個人事業主の皆様に対しましては、社会全体のデジタル化の流れに対応するため、生産性の向上や業務効率化を図るなどデジタル技術を活用し、経営課題の解決を目指す市内事業者を支援するために、新たに「DX化推進事業」を創設してまいります。
 地域コミュニティの核である商店街につきましては、新たに策定した「SDGs未来都市計画」で掲げている商店街を中心とした「交流とにぎわいでまちを活性化する」に向けて、魅力あるイベントを各商店会が長期的な視点で事業を計画・実施できるよう、商店街活性化推進事業の補助率を拡充するとともに、市民の皆様が安心して買い物ができるよう、防犯カメラ等の設置および運用経費への助成を継続し、安全で安心な商店街づくりを支援してまいります。
 最後に、農業振興についてでございます。都市農地は、新鮮な農産物の供給のみならず、防災機能や景観保全など多面的な機能を有しております。
 令和8年度につきましては、ビニールハウスなどの農業用施設整備等に要する費用を助成するため、令和7年度に創設した「農業用施設栽培促進支援補助金」を拡充し、さらなる市内農業者の経営基盤強化を目指してまいります。

行財政基盤の強化を絶えず目指すまち

 重点的な取組の最後といたしまして、行財政基盤の強化についてでございます。
 本市では、第5次行財政改革大綱に基づき、将来にわたり持続可能な行財政運営を確保するため、絶えず改革の手を緩めることなく、質の高い行政サービスの提供と効率的な組織体制の構築に努めているところでございます。
 自治体経営の基盤となる職員・組織につきましては、社会課題の複雑化や労働力不足に対応するため、限られた人的資源を最大限に活かす取組が不可欠です。
 令和8年度は、全庁的なBPR(業務改革)を強力に推進してまいります。全庁業務量調査を実施し、業務の可視化を行うことで課題・問題点を洗い出し、デジタル技術の活用や職員配置の工夫などによって、業務プロセスの抜本的な見直しを行います。BPRを実施することで、市民の皆様へのきめ細かな対応や政策立案など、職員は職員でなければできない業務に注力できる体制を整えてまいります。
 情報発信力の強化につきましては、市民の皆様が必要な情報に迅速かつ快適にアクセスできるよう、市ホームページのリニューアルに取り組みます。デジタル技術の進化を踏まえ、誰もが利用しやすく、分かりやすい情報発信基盤を整備してまいります。
 システム標準化につきましては、令和7年12月末からの年末年始の休業期間を活用し、大部分の基幹システムについて標準化への移行を実施いたしました。残るシステムにつきましても、構築作業を適切に進め、市民サービスの提供に影響が生じないよう、令和8・9年度を通じて、計画的かつ着実に標準化への移行を進めてまいります。
 市民サービスの最前線である窓口業務につきましては、マイナンバーカードの普及に伴い増加する手続き需要に対応するため、マイナンバー専用窓口の設置を行います。専用のスペースと人員を配置することで、窓口の混雑緩和と待ち時間の短縮を図り、スムーズで快適な手続き環境を提供してまいります。また、「書かないワンストップ窓口」の実現に向けましては、申請書への記載や手続きの簡略化等を順次実施するとともに、全庁業務量調査も踏まえ、フロントヤード・バックヤードの両面から検討を進め、令和10年度を目途にワンストップ窓口を実現できるよう取り組んでまいります。
 持続可能な財政基盤の確立に向けましては、歳出の適正化に加え、自主財源の確保が重要課題となっております。
 令和7年度に実施した組織改正では、広報プロモーション課を立ち上げ、全庁的にシティプロモーションを推進する体制を整えました。令和8年度につきましては、シティプロモーションの一環として本市の魅力を全国に発信し、応援していただけるファンを増やすため、ふるさと納税の拡充に取り組みます。ポータルサイトへの掲載拡大や魅力ある返礼品のラインナップを拡げ、歳入の確保とともに地域産業の活性化にもつなげてまいります。
 これらの行財政改革の取組を通じて、強固な財政基盤と柔軟な組織体制を築き、次世代に責任を持てる持続可能な自治体経営を実現してまいります。

結びに

 令和8年度の市政運営における主要な施策についてご説明申し上げました。これからも多くの市民の皆様と対話を重ねながら市政を前に進め、市民の皆様が西東京市に安心して暮らし、幸せを実感できるまちを目指し、市政運営に取り組んでまいります。
 令和8年度も、西東京市の発展に向けた歩みを止めることなく、全力で市政運営に臨んでまいりますので、市民の皆様並びに市議会の皆様の変わらぬご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

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