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市長新春対談

ページ番号 658-593-756

最終更新日 2024年1月15日

新春対談

広報西東京令和6年1月1日号で一部ご紹介しているMURPの皆さんとの対談内容を、改めてご紹介させていただきます。

市長とMURPメンバーとの写真

令和5年は5月に新型コロナウイルス感染症が5類へと移行し、市民生活が徐々にもどるにつれ「4年ぶり」となるイベントが多数開催されました。
MURPの皆さんは、その中でも子ども向けのイベントを中心に地域コミュニティ活性化につながる活動をされています。市内イベント等でお会いすることもとても多い半年でした。
このため、私自身ゆっくり彼らの話しを聴ける機会を楽しみにしていました。
表紙の撮影は田無第二庁舎の屋上でした。直前までの曇天が嘘のように晴れて、暑いくらいの日差しと抜けるような青空が、彼らの熱意やパワーを感じさせる始まりに。
対談にご協力いただいたのは、大学生を中心に約100名が所属する非営利団体MURPの中心メンバー4名です。


左から巻嶋幸帆さん、勝田菜々美さん、池澤隆史市長、上野隆太朗さん、酒井朝基さん

(注記)以下、敬称略

対談の様子

市長

いつもイベントへのご協力をいただきありがとうございます。市主催のイベントだけでなく様々な場所でお見かけする機会が多く、本当に地域に溶け込んでいますよね。
何故、地域活動をするようになったのですか?

上野

元々、社会福祉や地域コミュニティの形成などに興味がありゼミに入っていました。コロナ感染症が落ち着き始めたころ、ゼミ活動の一環で西東京市地域リレーションシップ研究部会と地域の課題検討会を実施し、その中で新柳沢団地の自治会役員の方から、「カラフル公園夏祭りを一緒にやらないか」とお声がけいただきました。卒論の準備が忙しい時期でしたが、後輩たちを中心に「地域活動は継続しないと効果が出ない」という意見があがり、活動を継続できるように志が同じ仲間でMURPを設立しました。
ゼミだけでなく団体ができたことにより、色々なアイディアが出ますし活動の幅も広くなり、この半年でどんどん仲間が増えています。MURPのミッションは「人と人をつなげること」「人と地域をつなげること」など複数ありますが、続けていくためには、自分たちの成長にもつながる活動でなければいけないと思っています。

市長

いつも皆さんにお会いするたびに感じるのは、笑顔で楽しそうでパワーがあること。その熱量を保つ原動力はなんですか?

上野

自分たちが楽しむことですね。どんなことも、自分たちが「楽しさ」「やりがい」「成長」などプラスの面がないとボランティア活動を続けていくことはできません。
人数が多くなると、人によってモチベーションの保ち方はかなり違います。
でも、最終的には人と人をつなぐ場にいるので、楽しんで達成感がある状態で終わらせることが大切だと思っています。
市内外の色々なイベントや施設に出向き、面白そうなものや喜んでもらえそうなものをピックアップし、みんなで話し合いながら企画を立てています。この時点では、意見がぶつかることもありますが、このディスカッションも全て自分たちの成長につながっています。
令和5年は西東京市と多くの共催イベントをさせていただきました。
自分たちだけでやるイベントよりも、協働でしか得られない経験ができたことも貴重な体験です。
特に、「JUN SKY WALKER(S)Free Live in Nishi-Tokyo "Birthday Party”」と「ともに生きる!まちづくりフェス」は思い出に残っています。あの規模感をやらせてもらったからこそ「自分たちで、いこいの森でイベントを開催したい!」という発想になり「ユメバルーンを夜空へ」の開催につながっています。イベント規模が大きかったため市との共催となり、そのためには、更にしっかりした目的と目標設定をした企画が必要となりました。
まだまだ反省すべき点はありますが、大変だった分思い出深いですね。イベント当日、フォトスポットの前で市長と一緒に記念写真を撮れたことも嬉しかったです。
新柳沢団地自治会や西東京市役所の方々と継続的につながりを作ってもらえているので、一緒にやっている感もあり、達成感がより強いと感じます。また、様々な経験からすべてにおいて“つながり”が大切だと思っています。


JUN SKY WALKER(S)Free Live in Nishi-Tokyo "Birthday Party”


まちづくりフェス(令和5年3月)


ユメ図鑑

市長

「ともに生きる!まちづくりフェス」の市民参加型で作られたユメ図鑑は凄かったですね。田無庁舎1階に展示しているときも立ち止まる方が多くいらっしゃいました。
「水族館を作ろう!」や「ユメバルーンを夜空へ」も、“自分たちもやっていて楽しいから参加した皆さんも楽しめる”という姿勢が本当に体感できるイベントでした。子どもたちをはじめ、参加された方の記憶に残るイベントだと思います。
現場を見ることは本当に大事ですよね。私自身も時間の許す限り現場に足を運び、色々な方と話して情報を得て、実際に自分の目で見ることで、次のアイディアが生まれてきます。
しっかり話し合っていくという過程も素晴らしいですね。
たくさんの若い方に、皆さんのように西東京市の市政や地域活動に興味を持っていただくには何が必要だと思いますか?

勝田

私自身、最初から地域福祉や地域活動に興味を持っていたわけではありません。
大学で社会福祉を学んでいる中で、ボランティア活動には興味がありました。でも自分から、一人でボランティアに行こうという勇気はなくて。そのきっかけを与えてくれたのがMURPです。MURPで活動する中で、どんどん地域活性や市政に興味を持つようになり、行動も変わり視野が広がったと感じています。
多くの人がこの「きっかけ」が必要で、「きっかけづくり」をどのようにできるかが重要ではないかと思います。
あとは、地域共生社会と言われていますが、支える側、支えられる側という形ではなくて、みんなが一人ひとりの役割を担ったり、色々な人が集まりたくさんのアイディアを出したりする環境が大切だと思っています。
いま多くのイベントを開催し、多くの人が関わって一緒に何かを作るとき、提供する側、される側と線引きがあるとなかなかうまくいかない。行政と市民という部分でも、この部分は課題なのかなと感じます。一方的にやるのではなく、一緒につくるというイメージでしょうか。

市長

地域活動を通し皆さんから見た「西東京市の魅力」はどこですか?

勝田

地域活動をしていると多くの方と出会いますが、西東京市は“人同士のつながりが強い”という印象です。新柳沢団地を中心に活動していますが、たくさんの方がスタッフレベルで協力をしてくださったり、次のイベントのお話をいただいたり。地域の皆さんが一緒に活動してくださるので、私自身、活動の中で人とのつながりを強く感じています。

市長

人がつながるというのは本当に大事ですよね。地域の豊かさでもあり防犯にもつながる。私は「子どもがど真ん中」というのを市政の中心においています。
これは、子どもが安心して暮らせるまちは、当然その親世代、そして高齢者にもやさしいまちになるからです。そして、次世代につないでいくための「環境」や「平和」に対しても重点を置いています。先ほどお聞きした「地域活動は継続しないと効果がでない」のと同じように、これらのテーマも継続しなければよくならないと思います。
いま世界では、戦争や紛争、災害など様々なことが起きています。若い方から見て、日本の平和をどう考えていますか?

酒井

平和というと自分の中でもニュースで大きく取り上げられる戦争のことに目がいくので、ウクライナ侵攻やパレスチナ問題、世界中で紛争が起こっていることに対し、とてもつらい気持ちになります。いまの日本に生まれ育ち感謝すべきことは、戦争には巻き込まれずに、命の危機を感じることなく、こうして日常を過ごせていること。この戦争がないという部分では、日本は平和だと思います。
ただ、もっと日常的な平和ということであれば、貧困や虐待問題、いじめや高齢者の孤独死、構造的な暴力という部分で考えると日本は本当に平和と言えるのかと考えてしまう部分があります。社会構造的な暴力にもしっかり目を向け、住んでいる人々みんなが安心して暮らせる社会にすることが、いま日本が考える広い意味での平和につながることだと思っています。
昨年6月にMURPの活動を通し、西東京市が開催する「子ども・若者平和ワークショップ」をお手伝いさせていただきました。私自身、子どもの頃に、平和について触れる機会が少なかったこともあり、改めて考える貴重な機会となりました。
日本は世界でも唯一の被爆国でもあります。歴史的な事実を各世代に語り継ぎ、子どもの頃から平和の尊さを学ぶことが大切だと思います。

平和ワークショップの様子2
平和ワークショップ

平和ワークショップの様子1

酒井

また、平和と環境はつながっていると考えていて、戦争の爆弾やミサイル、兵器はたくさんの人の命を奪うだけでなく、環境すべてを破壊します。平和でなくなると同時に環境破壊が進み、どんどんダメージが大きくなる。関わり合っているというか、線でつながっていると思っています。不必要な排気ガスや二酸化炭素が排出されることにも。そういう部分でもSDGsの17の目標はすべて重要で、持続可能な社会の実現のためには平和であることはとても大切なのだと思います。

巻嶋

私も同じで、日々生命を脅かされる状況に置かれる方がたくさんいるなかで、日々の安全が守られていることは幸せなことだと思います。この状況は当たり前ではなく、絶対に守り続けていかなければならないこと。
ただ平和という言葉は、戦争や紛争だけでなく、災害の被害や犯罪を未然に防ぎ、人々が不自由なく暮らせることを指すのだとも思います。
日本は幸い、75年以上戦争が起こっていませんが、差別や間接的な暴力などが起こっている現状もあり、生きづらい人がいることは、本当の意味での平和とは言えないのではないでしょうか。また「環境」という言葉も広い意味で考えれば、私たちの生活や人間関係も環境のひとつだといえます。平和も環境も深いつながりがあり、どちらも身近なことから考えていくべきことだとも思っています。
市長がおっしゃるように、顔の見える関係を築くことによって、防犯や防災、そして広い意味で平和につながる様々な効果が生まれると思っています。

上野

デジタルの発達によって便利になる反面、SNSによる誹謗中傷なども暴力ですよね。地域活動が増えると、色々な考えの方がいて、批判的なコメントをいただくこともある。その言葉に心が疲弊する仲間を見ると、このまま続けていいのだろうかと考える瞬間もあって。イベント終わりに泣いて帰るのを見たときはつらいですよね。MURPはこの1年で一気に人数が増えて大きく成長した団体なので、まだ内面的な成長が追いつかず弱い部分もあり、苦しいこともあります。でも慕ってくれる仲間がいたり、喜んでくれる地域の方々がいたりと、多くの方に支えられて今があります。これこそが、地域共生や地域コミュニティの良いところで、平和について考える上でもとても重要なのだと思います。

市長

ありがとうございます。安心して日常生活が送れるというのがまさに平和であって、そのためには“顔が見えること”や“人とのつながり”が大切ですよね。
顔の見える関係は、人から人へ、世代から世代へつないでいくという平和な社会を続けていく上では本当に重要だと考えています。
昨年、平和首長会議が広島で開催されて、世界各国、そして日本全国から自治体の長が集まり「平和」について話し合いました。そのなかで、平和というのは「つないでいかなければならない」というのが多くの意見でした。それを踏まえて、6月に小学生から大学生までを対象とした「平和のワークショップ」を開くことにしました。子どもたちに集まってもらって平和について話しアウトプットして。その中で何かしら感じ取り学び、行動できることが大切かなと思っています。人のつながりとか次の世代につなげるためにも、子どものための平和ワークショップは毎年続けていきたいと思っています。皆さんが言う「きっかけづくり」になる参加型の場面を提供できるように考えていきますね。

平和ワークショップ集合写真

市長

本日は長時間にわたりありがとうございました。とても有意義な時間を過ごさせていただきました。令和6年もまた、多くの市内イベントにご協力いただきたいと考えていますので、宜しくお願いいたします。

対談を終えて

西東京市が誕生し、令和6年に23年を迎えます。2市が合併したことから「やさしさとふれあい」を基本理念とし歩んできたことが、都心でありながら地域の人のつながりの強いまちになっているのだと改めて感じる対談でした。
そして、若い方がこんなにもこのまちを好きでいてくれることや地域活動に熱心でいてくれることに感謝するとともに、私も改めて新しいことにチャレンジしながら、世代を超えての地域コミュニティを強化していくことの大切さを痛感いたしました。
令和6年も現場に足を運び、たくさんの市民の皆さんと会話し、西東京市をよりよくするアイディアの種を集め市政や施策に生かしていきたいと思います。
長文となりましたが、お読みいただきありがとうございました。
結びに、皆様にとりまして幸多き一年であることをお祈りするとともに、安心で住みつづけたいまちにしていくことに尽力してまいります。本年も宜しくお願いいたします。

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