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2025年6月15日号NO.606

ページ番号 891-564-853

最終更新日 2025年6月12日

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特集「パラアートの魅力」インタビュー

今回は、広報西東京令和7年6月15日号で紹介している、令和6年度パラアート展覧会 優秀賞受賞 若井直樹さんとそのお父様、泰雄さんにお話を伺いました。

インタビュー

受賞作品を描いた、きっかけを教えてください

 私たち夫婦はともに青森県の津軽地方出身で、直樹も母の郷里・弘前市で生まれました。弘前で毎年8月に行われるねぷた祭り(注釈1)では、最大9メートル超えの大きな灯篭が大人たちによって勇ましく引かれる前を、小さな金魚ねぷたを持った子どもたちが歩きます。テレビなどでは大きいねぷたが注目されがちですが、地元では、江戸時代の津軽藩で飼育されていたと伝わる「津軽錦」の形を模した金魚ねぷたも人気があります。
 直樹も何度か帰省した折、ねぷた祭りの熱気を肌で感じていたと思われ、たまたま令和6年度パラアート展覧会のテーマが「【祭り】~アート・地域・文化が織りなす新たな集い~」とのことでしたので、幼い頃から馴染みのある金魚ねぷたはどうか、と思い、家にある金魚ねぷたを直樹に見せたところ、にっこりと笑顔を見せてくれて、描こうという気持ちになったようでした。

(注釈1)青森市では「ねぶた」、弘前市では「ねぷた」と呼ばれる津軽の夏の夜を彩る祭り

直樹さんがこの絵を描いたときの様子を教えてください

 直樹は、まずいろいろな方向から金魚ねぷたを眺めて、その後2時間くらいの間で5、6枚のねぷたの絵を一気に描き上げました。今回はその中から、現在通っている絵画教室の先生と私が相談して、これが良いかな…と思うものを選び、パラアート展覧会に出品しました。
 実際の金魚ねぷたには、赤、黒以外にも、黄色、ピンクなどさまざまな色が使われているのですが、あえて赤と黒のみでシンプルに描いているところが面白く、そこが直樹のこだわりなのだと思います。

直樹さんの創作スタイルについて、教えてください

 直樹には生まれながらの自閉症があり、言葉のコミュニケーションが今でも困難ですが、ジェスチャーで自分の気持ちを精一杯表現します。それでもなかなか自分の気持ちが伝わらないこともあるようで、その際には怒りや悔しい感情を体全体で表わします。
 直樹自身には、絵を上手に描こうとか、誰かに気に入ってもらおうという気持ちは一切ないように思われ、対象から感じた思いをストレートに、絵の具でキャンバスやスケッチブックにぶつけるように無心で描いています。このため、いったん絵を描き始めれば、エプロンはもちろん、手や顔までがカラフルな模様に彩られます(笑)。
 初めて応募した令和3年度のパラアート展覧会の表彰式のことですが、すでに高校卒業後、7年経っていてもなかなか絵を描ける機会に恵まれなかったので、思い切って「この中に自閉症の直樹が絵を学べる教室をご存知の方がいれば、教えて頂けませんか?」と、参加されていた皆さんにお声掛けさせて頂いたところ、ご親切な方から現在通っているアトリエをご紹介いただきました。3年前から通っているこの教室では、先生から「直樹さんの感性をこれからも大切にして欲しい。」とのご指導の下、直樹のペースでのびのびと自由に絵を描かせていただき、それが本人にも合っているのだと思います。
 また、はじめは送り迎えで付き添うだけでしたが、先生に薦められたこともあり、今では私自身も直樹の傍らで水彩画を描いたり、また5年前から通っている切り絵教室では一緒に切り絵作品に取り組んだり…と、思いがけない創作の喜びと機会に感謝しております。

直樹さんはいつ頃から絵を描く活動をしていたのですか?

 中学生のときに学校の授業の一環で、切り絵を始めました。ただ、高校に入学すると授業に切り絵のコースがなかったため、絵画コースでアクリル画を学び始めました。高校生のときに描いた絵が、令和3年度パラアート展覧会にて最優秀賞を頂いた作品です。
 また、直樹が幼い頃から、よく家族で美術展を見に行っていました。その中でも、直樹は鮮やかな色彩にとても魅かれるようで、最近の展覧会では、独自の色彩を駆使した作品を描き、「色彩の魔術師」とも呼ばれたアンリ・マティス(フランスの画家)の絵や、切り絵(この場合は、切り貼りした色紙で画面を構成するスタイル)の大作を興味深そうにじっと見つめていました。この影響もあるのでしょうか、直樹の絵は、絵の具の原色を大胆に使い、インパクトのある色彩で訴えかける作品が多い、と思います。

創作活動を通して、直樹さんに何か変化はありましたか?

 幸いなことに直樹は、自宅およびグループホーム、さらには作業所の3つを活動の拠点として、安定した日常生活を送っています。これらを行き来する他に何らかの余暇活動の時間を持つことは、健常者はもちろん、障害がある人にとってもとても大切なことだと考えております。
 絵画教室に一緒に行くときにも、行く前までは顔がこわばっていたのに、帰りはとてもすっきりとした表情になっていることがあります。
 やはり、絵を描くことで自分だけの世界に集中できることで、日々の生活の中でどうしても避けることの出来ない不安や、緊張の気持ちが少しずつ解き放たれて、穏やかな気持ちに戻れるのではないでしょうか。直樹の心の内をうかがい知ることは困難ですが、言葉のコミュニケーションが難しい直樹がこれからも厳しい現実と向き合う際に、絵画を含めた創作活動が、せめて心のオアシスのひとつになり続けてくれることを願っています。

インタビューを終えて

 直樹さんの大胆かつ繊細な創作スタイルに驚かされ、またそれはその活動を見守るご両親や、絵画教室の先生など、周囲の暖かなサポートあってこそなのだと感じられるインタビューでした。
 若井直樹さん、泰雄さん、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。

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