第26回 「虫」「蟲」「ムシ」
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最終更新日 2017年7月1日
「虫」という漢字は、ものの形をかたどって表した象形文字です。この文字のもととなった生き物は実はヘビで、カブトムシやダンゴムシといった「ムシ」と名の付く生き物ではありません。それら小さな生き物は、虫がたくさん集まりうごめいているという意味の「蟲」という別の漢字で表されていました。
日本では昔、地面を這は ったりその辺を飛んだりしている小さな生き物をみんな「ムシ」と呼んでいました。江戸時代の百科事典『和漢三才図会』の「蟲」という項目にはハチもムカデもカタツムリも含まれています。ところが後に西洋科学が入ってくると、生き物は形で分けられるようになりました。そして一般的に「虫」といえば、体が3つの節に分かれた6本脚の生き物=昆虫を指すようになったのです。ダンゴムシやゾウリムシなど、昆虫ではない生き物にも「ムシ」と付くものがたくさんいますが、これは昔からの呼び名の名残なのです。
(市報 平成28年7月1日号掲載)