第99回 チョウはいる?いない?
ページ番号 914-148-302
最終更新日 2023年6月13日
春先によく見かけたチョウを最近は見ないな、と感じたことはありませんか?図鑑にチョウの活動期間は3月から10月までと書かれていても、どの時期も同じ頻度で飛んでいる姿を見かけるわけではありません。幼虫から蛹の時期があるからです。
例えばナミアゲハは、蛹で冬を越して、春に羽化して飛び始めます。そして交尾、産卵して、2週間くらいで寿命が尽きます。一方、この卵から孵った幼虫が蛹を経て成虫になるまでには1カ月半から2カ月かかるため、一時的に飛んでいるチョウをあまり見かけない期間が生じるのです。
同じナミアゲハでも生まれた時期で見た目の違いがあります。冬越した春型は小ぶりで翅の模様が全体的に明るめで、春以降に生まれた夏型は大きめで翅の黒い筋がはっきりしているという特徴があるので、見分けに挑戦してみてください。
ナミアゲハの春型と夏型(多摩六都科学館で展示している標本)
